クラフトタッチの繊細な雰囲気
【ニューヨーク=小笠原拓郎、杉本佳子通信員】16年春夏ニューヨーク・コレクションは、クラフトタッチの繊細な素材を生かしたコレクションが目立つ。レースにクロシェ、刺繍にパッチワーク、はぎ合わせ。手仕事を生かしたナチュラルなタッチと上質感でオリジナリティーを強調する。
トリー・バーチはクラフトタッチの繊細な素材を生かしながら、ほんのりとオリエンタリズムを感じさせるコレクションを見せた。レースのセットアップにタッセルヘムのトップ。ストライプのシャツやシャツドレスは胸元に刺繍を飾る。
スモッキングと刺繍を組み合わせたベアトップとスカートのセットアップなど、繊細なテクニックを生かしながらナチュラルな気分を漂わせる。ラメや箔(はく)ゴールドが淡く重ねられたドレスは、ゆるやかに流れるフルイドライン。
スチュアート・ヴィヴァースによるコーチが、レディスでもショー形式で新作を見せた。パッチワークレザーやパッチワークフラワーをベースにしたシンプルでフェミニンなラインを揃えている。セミフレアにミニドレスやミニスカートのガーリーなラインがメーンで、花柄を切り替えた素材で軽やかな春を演出する。
合わせるのはコーチらしいレザーを使ったライダーズジャケット、スエードの切り替えブルゾンなど。足元もパッチワークレザーのブーティーやショートブーツでまとめる。ランドスケープ柄のセーターもキュートなイメージ。上質で機能的、若々しいスタイルは新しいコーチを印象付けるが、もう少しアイテムの展開に幅があってもいい。