【パリ=小笠原拓郎】16年春夏パリ・メンズコレクションは初日、アメリカを思わせるカジュアルなスタイルをエレガントにこなすコレクションが目立った。ミラノに続くトレンドとしては、プリミティブなパワーの色柄による表現や、スポーツを背景にしたスタイルも登場している。
ヴァレンティノは繊細な手仕事を取り入れたアメリカンスポーツスタイルを見せた。たくさんのスタジャンとスカジャンは、レザーに象眼でツルを描いたり、シルクの花柄だったり。シルクシャツにレザーのオーバーシャツを重ねて、美しい色のコントラストを作る。
パーツで色を切り替えたジャケットにヒップポケットの色を変えたパンツなど、アメリカンカジュアルをクリーンな配色で軽快に見せる。花柄のスリッポンはジュートを巻いたようなエスパドリーユ風ディテール。ショートブルゾンのバリエーションが充実した前半から変わって、後半はミリタリーやデニムを軸にしたラインだ。スエードにスタッズや刺繍を散りばめたブルゾンやコートにデニムのパンツをコーディネートする。
オフホワイトのコートにはびっしりとプリミティブな柄の刺繍。オフィサージャケットにはテープ刺繍を飾る。デニムのバリエーションも多く、ブリーチやリジッド、部分的にブリーチされたブルゾンやパンツを出している。デニム地の端を使ってトリミングのようなディテールを入れたコートも。総ルック数73体の壮大なコレクションとなった。
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