《16年春夏パリ・コレクション》空港で描く旅のスタイル/シャネル
【パリ=小笠原拓郎、青木規子】16年春夏パリ・コレクションに旅を背景にしたスタイルやプリミティブなエスニックスタイルが広がった。エスニックの中で、特に気になるのが砂漠の乾いた空気を背景にしたアースカラーをベースにしたライン。手仕事の繊細なテクニックを背景にしたエスニックスタイルは、トレンドの一翼となりそうだ。
シャネルはパリの歴史的な建造物グランパレの中に、空港を作った。パリ・カンボン空港からシャネルエアラインに乗り込むモデルたちという演出で新作を披露した。会場に入ると巨大な案内板とチェックインカウンターがずらりと並んでいる。そこにテーラードスーツをまとった機長たちが登場して、ショーが始まった。
シャネルのアイコンでもあるツイードタッチのトリミングスーツは当然ながら、それとともにたくさんのグラフィック柄がフィーチャーされている。そのグラフィック柄も、飛行機の進入経路を示す矢印のようなモチーフだったり、飛行機をハウンドツースのような柄で描いたり。
空港という空間を意識してか、クラシカルな淑女スタイルの女性もいれば、レギンスにフレアスカートを重ねてキャップをかぶったスポーティーな着こなしの女性もいる。フリルテープを飾ったスーツやプリントデニムのセットアップなど、さまざまなタイプのコーディネートが広がった。足元はフューチャーリスティックなシルバーのサンダルやソールのライトが光るサンダルなど。目の部分だけを刷毛(はけ)で書いたように青く塗ったメークとティアラのヘッドピースも。(写真=大原広和)