《アウター編》久々にスーツスタイルが売れそう
17年春夏のメンズインポートで、久々にスーツが人気を集めている。セレクトショップなどイタリアのアウターブランドを販売する専門店のここ数年の主軸はジャケットだったが、その流れが長らく続いたこともあり、ブランド側のクラシックなスーツスタイルの提案に食指が伸び始めている。ビンテージ調の柄で、ラペル幅の太いジャケットや、コットン製で見た目が軽快なもの、三つ揃いで重厚に着こなすタイプなどに受注が集まっている。
実売のボリュームということで考えれば、来春夏もドレス系メンズ小売店の主力はジャケットという流れは続くと見られる。しかし、長らくジャケットにパンツというスタイルが人気だったたこともあり、新しい提案としてスーツを買い付ける店が増えている。来春夏向けのスーツでは、タイドアップを想定したクラシックなタイプへの注目度が高い。これは小売価格10万円台半ばのブランド、20万~30万円のブランド双方に共通した傾向だ。
トレメッツォが販売する「タリアトーレ」で人気だったのは角度によって様々な光沢を放つ生地、ソラーロで仕立てた三つ揃いのスーツだ。ラペルはやや太めでジレと合わせてVゾーンを構成するため、二つボタンの仕様になっている。組下のパンツは1プリーツで腰周りのゆったりしたテーパードになっている。
リデアカンパニーの「ラルディーニ」は、ビンテージ調のかすれた格子柄のスーツが受注を集めた。2ピース仕様だが、小売店の要望に応じて共地のジレをつけることもできる。イザイアジャパンの販売する「イザイア」でも、明るいネイビーの格子柄スーツが例年に比べ受注を集めた。