17年春夏ミラノ・メンズコレ

2016/06/21 08:37 更新


改めてユーティリティーに勢い

 【ミラノ=小笠原拓郎】17年春夏ミラノ・メンズコレクションに改めて、ユーティリティースタイルが広がっている。トレンドの強弱はありながらも何年も続く「機能性」のデザイン。春夏はまたしてもユーティリティースタイルが勢いづいている。

 


軽快なアウトドアスタイル/プラダ

Prada Spring Summer 2017 Milan Menswear Fashion Week  Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only Prada Spring Summer 2017 Milan Menswear Fashion Week  Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only Prada Spring Summer 2017 Milan Menswear Fashion Week  Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only

 金網でできたスロープをゆっくりと登ってくるスポーツスタイルのモデルたち。プラダは90年代の「プラダスポーツ」のように、スポーティーなアウトドアイメージを揃えた。シャツ襟のセットアップスタイルにリュックを背負い、蛍光色のナイロンコートをアクセントにする。ジャージーのクロップトパンツにダイビングシューズのようなスポーティーな靴、カウボーイのようなハット。それは、ロックフェスティバルの会場で見るような、しゃれたアウトドアスタイルだ。

  水筒にサンダル、ヘアバンドといったアクセサリーもある。シンプルなスポーツスタイルだが、チェック柄や天気レーダーを移したようなアブストラクトな柄のコートが変化を作る。確かに今の市場の中で、機能性に特化する傾向は再び強まっている。しかし、そこからロジカルにひねりを利かせるのがミウッチャ・プラダの手法のように思える。そう考えると、春夏コレクションは、やや単純で肩透かしといったところであろうか。売りやすいコレクションではある。

 

 

 

Moncler Gamme Bleu Spring Summer 2017 Milan Menswear Fashion Week  Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only
 モンクレール・ガム・ブルーの会場に入るとキャンプファイアの横にテントが並んでいる。ベージュのパーカを着たモデルが整列した後、一人ひとりがパーカを脱いで歩いていく。それはボーイスカウトを背景にしたスタイル。全身ベージュのトーン・オン・トーンのシリーズに始まり、大柄チェックのシリーズ、カーキと黒のコーディネートのシリーズへと続く。リブやキルティング、エナメルコーティング、ワックスコットン、メッシュ、アストラカン、さまざまな素材を半袖ジャケットやケープ、ハーフパンツといったアイテムへとのせていく。たくさんのポケットディテールが特徴となる。ジャケットの身頃や袖にはもちろん箱ポケットがたくさん付き、ケープは大きなフレアラインの箱ポケットが付いてユーモラス。

 

 

Versace Spring Summer 2017 Milan Menswear Fashion Week  Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only
 ヴェルサーチのショーは、ブルース・ウェーバによるダンサーたちのキャンペーンビデオからスタートした。春夏は、ここ数年の中で最もスポーティーで機能性を強調したアイテムが揃う。ナイロンのフルイドコート、プリントパーカ、カットワークレザーのコートやブルゾン、レギンスにアノラックといったアイテムが次々と登場する。スカーフのようなパネルプリントをのせたパーカやジャケットもある。キーカラーはグリーン、ネイビー、ブラウン、ベージュ、パープル。
 (写真=catwalking.com)

 



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