17ssニューヨーク・コレクション

2016/09/13 03:35 更新


 【ニューヨーク=小笠原拓郎、杉本佳子通信員】17年春夏ニューヨーク・コレクションは、「シーナウ・バイナウ」の流れが本格的に始まったことから、17年春夏コレクションと16~17年秋冬コレクションが混在するシステムとなった。顧客に向けたショーの動きが強まる中で、今後のニューヨーク・コレクションのあり方が問われている。メディアやバイヤー向けの春夏コレクションでは、ニューヨークらしいユーティリティースタイルやデコンストラクトなラインが広がった。

 


マスキュリン&フェミニンを軽やかに/アレキサンダー・ワン

Alexander Wang Spring Summer 2017 New York Fashion Week  Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only Alexander Wang Spring Summer 2017 New York Fashion Week  Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only

 アレキサンダー・ワンはマスキュリンとフェミニン、スポーツと官能性の間で遊んでみせる。ストライプシャツの軽やかなコットン地でミドリフトップやショートパンツのセットアップを作り、スーツ地のようなストライプの生地はレースのトリミングをしながらドレスやジャケットに仕立てる。

  ブラトップのような官能的なアイテムも布を重ねて軽やかに。デニムのセットアップにはスラッシュを入れ、ブラウスにはイバラのようなプリントでハードな要素を取り入れる。ワンらしいスポーツミックスではサーフスタイルからの影響が感じられる。ネオプレンのようなタッチのドレスにダイバーが着るようなブルゾン、スパンコールのドレスにもビーチサンダルをコーディネート。

  とはいえ、パームツリープリントのスウェットパーカなど、リアルなアイテムもいっぱい。ここ数シーズンの中では、やり過ぎずにすっきりとしたスタイルに仕上がった。

 

 

色と布の動きを生かして/シース・マルジャン

シース・マルジャン

 シース・マルジャンのショーには、デビュー2シーズン目にもかかわらず、インターナショナルなプレスが勢ぞろいしている。というのも、すでにコレットやバーニーズといったショップが仕入れ始めており、知名度が一気に上がったからだ。

  春夏は鮮やかな色のバリエーションと布の動きを組み合わせて、シンプルなラインに変化を作った。イエロー、ピンク、ブラウン、カーキ、グリーン、ネイビー、基本的にトーン・オン・トーンの全身ワンカラーのコーディネート。

  サテンやグリッターの光沢とウオッシュされたしわ感、シアサッカーのストライプといった素材が軸となる。クロスモチーフやフルイドテープ、布の折り返しといったディテールがシンプルなドレスやブラウスに動きを作る。

  リアルなスタイルが今の時代にマッチしているのかもしれない。デザイナーのサンダー・ラクはブルネイ生まれで、母国オランダで育った。セントマーチン美術大学の修士課程終了後、ニューヨークをベースにブランドを立ち上げた。

続きは繊研新聞で



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