アフリカのモチーフ、ルネッサンスやバロックのタペストリー
様々な柄を取り入れて
【パリ=小笠原拓郎】16~17年パリ・メンズコレクションには、アフリカをはじめとしたプリミティブな柄、アーティスティックなアニマル柄、様々な柄を組み合わせたスタイルが広がった。ルネサンスやバロック期の絵画にタペストリー、ハンティングの風景画などを取り入れたブランドもある。
ルイ・ヴィトンはアフリカとパンクを組み合わせた。クロコダイルのトレンチコートやオーストリッチのブルゾンなどラグジュアリーなアイテムからスタートしたショーは、プリミティブな素材とともにアフリカの動物モチーフのアイテムへと続いていく。モヘアの毛足を生かしたキリン柄のセーターやゼブラ柄のレザーブルゾンなどだ。モノグラムにオーバープリントした動物柄はチャップマンブラザーズによるもの。メッシュ地にモノグラムの生地をテープ状にして編み込んだジグザグ柄のレザーブルゾンやバッグもある。アフリカモチーフのものに組み合わせるのはパンク御用達のボンディングパンツやジョージコックスのようなラバーソールシューズ。アフリカのプリミティブな要素を都会的にシンプルにミックスした。
ドリス・ヴァン・ノッテンのショー会場にはたくさんの自動車のヘッドランプが飾り付けられる。そこに登場するのはパッチワークのジャケットや風景画のような絵をプリントしたアイテム。バロック時代やルネサンス期のタペストリーをモチーフにした柄をコートやブルゾン、セットアップにのせていく。ニットは編み地がほどけたかのようにフリンジ状に糸が揺れる。箔(はく)シルバーのチュニックやフリンジと刺繍を飾ったジャケットもある。フィナーレは寄せ集められたヘッドライトがイエローの光をいっせいに灯す。ノスタルジックなアートの柄がメーンとなったコレクション。