キュートな中に挑戦ムードひとさじ
例年よりも約2週間早く、17年春夏シーズンの東京コレクションがスタートした。トップバッターは、23日に東京・赤坂の草月会館でショーをした「ラマルク」(森下慎介)。得意のニットや作り込んだファブリックをポイントにして、クリーンでフレッシュなエレガンスを見せた。
可愛らしくてリアルな感覚の中に、つやっとした女っぽさや、少しだけ挑戦的なムードが漂うのがこのブランドの魅力だ。カジュアルなジャンプスーツは落ち感のある光沢素材で仕立て、透かし編みのきれいなニットトップには、パンチのきいたパイソン柄のスカートを合わせる。
裾フリンジのスカートやGジャン風ブルゾンに使ったのは、シルクや紙繊維を取り入れてデニム風に作り込んだ織り地。他にも、ラメ混のカットジャカードや、アンティーク調のカットワークレースなど、いつも以上に素材開発に気合いが入っている。一方で、やっぱり得意のニットがうまい。極細ストラップのニットキャミソールや、クロシェのマキシスカートなど、春夏でも重くならないバランスに仕上げた。
昨年は、10月のメルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク東京(今季からアマゾン・ファッション・ウィーク東京)に合わせてショーをしていた。「生地の作り込みや生産に時間を割きたいので、前倒しした。ゆくゆくは海外展もやりたい」と森下。(文=五十君花実、写真=加茂ヒロユキ)