23区ゴルフのポロ、価格戦略が実る

2016/08/19 06:40 更新


 オンワード樫山の「23区ゴルフ」の春夏物販売が堅調に推移した。3~7月の既存店売り上げで、前年同期比5%増となり、百貨店のゴルフ売り場全体が苦戦する中、その伸びが際立っている。ブランド設立20周年に合わせて企画した純国産ポロシャツが好評だったことに加え、付加価値を付けたポロシャツを従来の平均価格を下回る価格で提案し、ふり客の獲得につなげた。

 百貨店のゴルフ売り場は、婦人服などに比べ健闘しているものの、今春夏商戦は全体で1~2%前年実績を下回ったと見られる。こうした中、23区ゴルフは春物立ち上がりの3月に前年比10%近い増収で好スタート、4月は落ち込んだが、5月以降盛り返し、セール期の7月は再び10%近い伸びを示した。

 堅調要因は、仕掛けの連打と価格戦略が当たったこと。3月に、20周年記念として「Jクオリティー」商品認証で、記念刺繍を配したポロシャツなどを出したのに続き、5月には人気イラストレーター、ソリマチアキラのイラストを刺繍であしらったポロシャツを平均価格より低い9200円で提案。さらに7月には、昨年には無かった1万円を切るポロシャツをメンズで3型、レディスで2型(いずれも9200円)、トリコロールカラーで投入し、全体の押し上げに寄与した。

 大胆な価格政策に踏み込んだのは、前年同時期に価格にシビアなふり客が増えたため。23区ゴルフでは、昨年までポロシャツを1万3000~1万5000円中心で販売していたが、「顧客は購買するものの、ふり客は手に取ることも無かった」(髙橋彩香マーチャンダイザー)という。そこで1万円以下の商品を投入。

さらに、従来より清涼感を高めた生地を使うなど、付加価値も加えて、今商戦に臨んだ。この結果、昨年より新規客の購買が増加。店頭からは「1万円を超えなければ、ためらわずに購入する」との声が相次いだという。

ソリマチアキラのイラスト刺繍を施した1万円を下回るポロシャツがヒット



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