【トップインタビュー】オーミケンシ 石原美秀社長

2018/07/30 06:00 更新




 オーミケンシが昨年、100周年を迎えた。構造改革を経て収益体質も固めつつあり、今後は機能レーヨンを軸に成長戦略を描く。石原美秀社長は「再生セルロースの開発センターになりたい」とし、製法の改良も含めてレーヨンを進化させ、新たな用途も狙う。

次の50年、100年に向けた投資も

 世界の大手レーヨンメーカーと比較すると規模やコストでは勝てませんが、機能剤を練り込んだ機能レーヨンなど品質は国内外で評価を得ています。当社としても価格競争に引き込まれない機能レーヨンの比率を上げることで収益性を高めることを目指します。そのために、商品開発本部を設け、基礎、応用、加工の三つの開発チームを立ち上げました。

 私たちが大切にして理念として掲げている、「人へのやさしさ、暮らしへのやさしさ、地球へのやさしさ」を実現するために、例えば、化粧品で有効な成分として使用されている機能商材をレーヨンに練り込むなど、他業種とのコラボレーションや商材だけでなく製造方法にもこだわってモノづくりを行う必要があります。当社だからこそできる技術で〝再生セルロースの開発センター〟を目指します。

 従来の製造方法では、練り込み商材は限定さますが、当社が開発した可食用セルロースの製造技術を応用する等、新しい練り込み方法での複数の開発プロジェクトをこの2~3年のうちに立ち上げ、次の50年、100年に向けた設備投資も行っていきます。

 また、今後は機能レーヨンを、素材から最終製品まで一貫してコントロールする体制を強化して、様々な分野に商品を提供していきます。

オーミケンシ加古川工場

外部と協業し、新しい用途開拓も

 レーヨンでの新たな用途開拓も重要なテーマで、新しい製法も使って開発することで、新たな用途への開発と商品提供を強化していきます。そのためには当社の知見だけではなく、外部の知見を生かしながら、強みを発揮していきたい。

 近江商人の「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)を実現するには、当社が強くなければできません。そのためにモノ(商材)づくりと販売力を向上させていきます。それを推進するには、何よりも従業員が重要です。必ずこの会社で働きたいと思ってもらえる会社を目指していきたいと考えています。

石原美秀社長



〒541-8541 大阪市中央区南本町4丁目1番1号

URL.http://www.omikenshi.co.jp TEL.06-6205-7300 FAX.06-6205-7313

(繊研新聞本紙7月10日付け)



この記事に関連する記事