総合ディスプレーのアディスミューズは、レンタルに新たな機能を盛り込んだ提案に力を注いでいる。変化する期間限定店のニーズを取り込む構えだ。
デジタル関連のスタートアップ企業と連携して打ち出しているのは来店者の行動分析などAI(人工知能)によるデータの提供。レンタル什器とAIカメラを組み合わせたもので、事前に知りたい情報をクライアントと確認、事後にリポートとしてデータを整理して渡す運用でソリューションにする。売り場では消費者に体験価値を高める情報提供も行う。
短期の販売代行と組んで提供するのはレンタル什器と合わせた販売スタッフの配置。リアル店舗の人員がいなくても出店が可能で、スタッフの接客内容をクライアントに提供するところまで行うという。
ECを主力にした企業がマーケティングなどのためリアルの期間限定店を出す動きが広がっていることに対応するもので、什器の提供だけでなく、リアルの経験がない中で情報収集を進めたいクライアントのニーズに応えるものだ。
同社はこの間、デジタルサービスを付加することで事業領域を広げようとしてきた。商業施設にバーチャルに展開するフォトスポットを設置するなど実績を積み上げており、期間限定店でも機能を付加することで新たなニーズを取り込むことを目指している。
それぞれ4月26~28日に都内で開いた19年1月以来となる展示会で披露している。展示会のテーマは「ムーブ」で、コロナ禍からの再起動を打ち出しており、期間限定店の提案のほか、多様な環境配慮型の開発商材を揃えた。