輸入卸アマン、婦人靴「ペリーコ」直営店で新規客獲得

2018/01/18 04:26 更新


 輸入卸・小売りのアマンが総代理店の伊婦人靴「ペリーコ」の販売が順調だ。17年は卸売りで前年並みを維持しつつ、16年3月に東京ミッドタウンへ出した直営・六本木店の売り上げを30%近く伸ばすなど、より多くの客層を取り込んで認知度が向上した。3月末には東京ミッドタウン日比谷にも出店する。

 ブランド売上高は数%増だった。75%近くを占める卸売りは、セレクトショップと約20の百貨店婦人靴売り場を販路に、16年と同水準を維持。婦人靴市場でパンプスが苦戦する中でも、ペリーコは4万円台後半の価格帯でコンスタントに売れ、イタリアの工場での生産が追いつかず、調整せざるを得ない状況が続いている。昨春夏はスペインなどの協力工場で作るディフュージョンライン「ペリーコ・サニー」の2万円台後半のサンダルが伸び、新規の取扱店も増えて底上げに貢献した。

 安定した人気の要因は、一般消費者の手に届く憧れとなる一方、ラグジュアリーブランド利用客の普段使いに適応する品質で購入層を広げていること。「ハイエンドのセレクトショップ、都心の百貨店、直営店とそれぞれ役割を踏まえてブランドを育てている」(池田篤紀取締役ペリーコ事業部・レディース事業部部長)という。

 直営店では幅広いラインナップを面で見せてイメージを訴求し、欧州規格で34~39サイズの幅広いニーズに応える。六本木店は、リピート購入やバリエーションを求める客層に加え、「来店して初めてペリーコを知る人も多く存在」し、伸びた。直営店と在庫を共有するECも予想以上に伸び、今年から在庫を分けて運営する方向だ。

 3月に開設する日比谷店は、六本木店より若干大きめで曲線の空間に特徴を出し、ギャラリーを回遊するようにペリーコの靴とバッグを体感してもらう。

 パンプスの売れ筋は大きく変わらないが、17年はスタッズ付きが売れた。ヒールの高さは8センチが中心だったが、6.5センチの需要が高まり、フラット、3.5センチも伸びている。

 18年秋冬は、定番も扱うが、欧州の有力デザイナーを起用して新しいイメージを打ち出す。パンプスで4万円台後半の価格帯は維持し、ヒールの形状や木型のラインに独自性を凝らし、「フェミニン、オーセンティックにとどまらないモダンな一面を見せていきたい」という。

今春夏は丸みを帯びたヒールで新鮮味を出す



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