and(アンド、沖縄県糸満市)は、「ぐすく花織」を生かした婦人服「YOAKE」(ヨアケ)を2月に立ち上げた。先に行われた東京・ギフトショーでデビュー、百貨店やセレクトショップなどでの販売を目指す。
ぐすく花織は、四つと五つのマス目からなる沖縄の伝統柄「ミンサー柄」や鳥の柄などを織り込んだ素材。手織りの技を機械織りで再現することで、耐久性や使いやすさを高めた。縫製は沖縄県や東北地方をはじめ、国内で生産する。
ターゲットは30~60代の洗練された女性。「末長く幸せにという意味のミンサー柄をはじめ、一つひとつの柄に沖縄の人の祈りや思いが込められた生地。伝統素材の良さを生かしながら、モダンでスタイリッシュなデザインを意識した服」(デザインディレクターの越智美香さん)に仕上げた。
アイテムは刺繍・パッチワーク・カフタンのワンピース、Vネック・チューリップスリーブのトップ、Tシャツ、サーキュラー・プリーツのスカート、スクエアバッグなど。Tシャツで9800円、パッチワークワンピースで5万2000円などとなる。
3月7~13日には、那覇市のデパートリウボウ1階で期間限定販売を予定している。今後は、国内外観光客が回復している沖縄県内のほか、国産の様々な商品を強化しているセレクトショップ向けなどに販売を広げたい考えだ。
越智さんは東京・文化服装学院を卒業。4年前に沖縄にUターンした3児を持つシングルマザー。「服を通じて、沖縄の良さをもっと発信していきたい。世界のウチナーンチュ大会(海外移民など沖縄にルーツを持つ人々を招待するイベント)のルートなどでもアピールし、海外にも販路が広がれば」と夢を語る。