フリマ「あんときマーケット」 東京ストリートシーンの熱狂再現

2024/09/25 11:30 更新


平日昼間にもかかわらず人が絶えなかった

 90~00年代初頭の東京・ストリートファッションシーンの空気感を彷彿(ほうふつ)とさせるフリーマーケット「あんときマーケット」。デジタル時代の便利さとは対照的に、情報収集や購入の難しさを意図的に作り出す。苦労した先の発見が人々を熱狂に引き込む。

(坂入純平)

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 主催は「あんとき(あの時)のストリート」を振り返るウェブメディア「ミミック」。このほど楽天ファッション・ウィーク東京の公式イベントとして、第2回が渋谷ヒカリエで開催された。

 日本の90~00年代初頭のストリートファッションシーンは現在でも世界に大きな影響を与えている。「ブームとは裏腹に、語られていない重要な文脈もある。当時のシーンの中心にいた人たちを集めることで正しく発信できれば」と代表の野田大介さんは話す。

 ストリートウェアブランド「リアルマッドヘクティク」を立ち上げた真柄尚武さんと江川芳文さんの出展ブースは、「ヘクティク」や「マスターピース」の当時の物が並んだほか、ヒップホップなど音楽に関連したアイテムも豊富に揃えた。

 伝説的なヒップホップグループ「ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンド」のメンバーであるXBSさんのブースには、ナイキとの協業モデルの「エアフォース1」もあった。

 シーンの中心にいたメンバーが提示するアイテムには、ただ希少なだけでなく、貴重な情報が詰まっている。一つひとつ調べていけば、当時のカルチャーがより立体的に見えてくる。さらに、その場には本人がいて話しかけることもできる。あんときマーケットには、現代では失われつつある、苦労して現場に足を運ばないと得られない体験と発見がある。

しゃがみこみ、真剣に物色する人が多い

 親が出店者の友人で招いてもらったと話す学生は、言い値で「シュプリーム」とマイケル・ジャクソンの協業パーカと、97年発売の雑誌を買った。パーカは比較的最近の年代のアイテムだが「どこで誰から買うかも重要。他にはない体験だ」と目を輝かせた。

当時の雑誌も豊富に揃えた


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