青山商事は24年5月に発表した新中期経営計画で、新規事業開発やM&A(企業の合併・買収)投資を重要な柱として掲げており、計画達成に向けてタイムウェル(横浜市)の協力のもと、9月から全従業員を対象にした新規事業アイデアコンテストの募集を開始した。その中の1次審査を通過したアイデアは、外部の共創パートナーと共に実現を目指す。
同社は、長年にわたりビジネスウェアを主力事業としてきた。これからは「ビジネスのパフォーマンスを上げるパーツを提供する会社になる」というパーパスのもと、競争が激しい「レッドオーシャン」から「ブルーオーシャン」の市場開拓に挑戦する。そのため、新規事業開発プロジェクトを「ブルーオーシャン」と名付けた。
同社の中計では、経営ビジョン「ビジネスウェア事業の変革と挑戦」をさらに推進するため、成長分野・新規事業への経営資源投入を強化し、具体的戦略を遂行していく3年間と位置付けている。同戦略の一環として、全従業員約6000人を対象に新規事業のアイデアを募集するブルーオーシャンプロジェクトを開始した。
同プロジェクトでは、事業開発の基本的な考え方を学べるウェビナー配信や、1次審査を通過した参加者へのサポートなどをタイムウェルと連携して提供。本部や営業店舖関係なく幅広いスタッフから、数多くのアイデアが集まった。今回、外部の共創パートナーとの目的実現に向けて特設サイト「ブルーオーシャンみらいラボ」(募集期間は12月31日まで)を立ち上げた。
社内従業員から生まれた10のアイデアは、①新たなファッション体験を創造するVR(仮想現実)向けファッション事業②男性に美しさと自信を与えるメイクサロン事業③働く女性を応援するマタニティーファッション事業④仕事と育児を支える託児サービス⑤ビジネスの効率化を実現するトラベルマネジメントサービス⑥就職支援サービス事業⑦高齢者の生活を豊かにする外商ビジネス⑧小売業界向け人材ソリューション⑨AI(人工知能)で実現するパーソナライズフィッティング⑩インバウンド向け和服ファッション事業。