元「DOD」マネジャー寺田英志さん アウトドアブランド「道草飯店」を立ち上げ

2026/03/27 12:30 更新NEW!


寺田英志さん

 アウトドアブランド「DOD」で長年マネジャーを務めた寺田英志さんは独立して、新しいアウトドアブランド「道草飯店」を立ち上げた。第1弾製品として愛犬家向けのフェンス型テント「ワンダーウォール」を3月下旬に発売した。今年夏以降には第2弾として独創的な人用テントも発売する予定だ。今後もテントを中心に「さらにとがったキャンプ用品」を開発していく考えだ。

(小田茂)

 寺田さんは仙台出身で、大学卒業後、タキヒヨーに07年入社し、DODを手掛けるビーズに10年に移った。大学時代から海外でバックパッカーなどをしていたので、アウトドアは好きだった。コロナ禍も後押しして人気となったDODのブランド初期から携わり、ユニークなネーミングのキャンプ用品を開発していった。特に16年に独特の「カマボコテント」を発売して以降、人気に火が付いた。

ゼロから面白い物を

 しかし、寺田さんは40代に入り、自由度のある会社で満足度もあったが、改めて「もっと面白い物が作りたい。何かゼロから始めたい」と思い、25年3月にビーズを退社、7月に新会社を設立した。

 それまで犬とキャンプに行く際、いつもずっと犬をリードでつないでおくのは可哀想だなと思っていた。そこで、テントを張りながら犬が自由に動ける構造ができないか考えた。近年、テントの大型化が進んでいるが、それを内包しつつキャンプサイトに収まり、犬が乗り越えられない高さや角度などを練った。試作品をキャンプ場でテストしていると興味を持つキャンパーが集まってきた。

 こうして開発したワンダーウォールはテントサイト全体を囲む新発想のフェンス型テントで、愛犬がリードなしで過ごせるこれまでにないキャンプスタイルを提案する。内側には約40平方メートルのスペースがあり、ファミリー用の大型ツールームテントでも設営が可能。囲い付きのキャンプサイトのように愛犬が自由に動ける。小型犬を想定して壁の高さは100センチとして、愛犬が引っかいても破れにくいようにシリコンコーティングのポリエステル・リップストップ生地を採用した。組立サイズは8×5.5メートルで、重量は9キロ。税込み6万8200円。

キャンプで愛犬が自由に動けるようにしたフェンス型テント

壁の高さは大人がギリギリまたげる程度に設計

独自性で勝負

 同ブランドは販売原価を公開しているのも特徴だ。「原価を隠す意味はない。素材の強度などは必要だが、それらも全て開示して、納得してから買ってもらいたい。製品のデメリットも表示し、買って、使ってからガッカリしないように」と寺田さんは話す。第1弾は材料費や工賃、輸送費などで原価率63%と、通常テントと比べると高水準とした。

 ブランド名は「キャンプは人生で必ずしも必要ではない。手間がかかり、面倒な面もあり、〝人生の道草〟。その道草があるから人生は楽しいので、〝道草を食べさせる店〟」という意味で付けた。英語などのアウトドアっぽいネーミングではなく、意外性があり、興味を持ってもらえるようにした。

 アウトドア市場は現在、コロナ禍のキャンプブームの反動で低調だが、「キャンプは消滅するような市場ではないし、キャンプをする人もいなくならない。デジタル社会が進展する中、キャンプの持つ価値の重要性はさらに上がる。その中で独自性のある商品を出していけば勝負できる」と考えている。

 販売については当面、自社ECのみで、「小さくスタートを切る」。今後は各地で開催されるアウトドアイベントなどへの出展も検討している。



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