旭化成は子会社である糸染めの富士セイセン(山梨県富士吉田市)の事業終了と会社清算を決めた。事業継続に向け、引き継ぎ先を探すことも視野に入れる。富士セイセンは44年の設立で、キュプラなどの糸類の染色加工や、織物や不織布の染色加工拠点の一つ。出資比率は旭化成54%、旭化成アドバンス31%。
近年はコロナ禍による売り上げ減少に加え、製造コストの上昇などにより厳しい経営状況が続いていた。経費削減や人員の見直しなどをしたものの、債務超過状態を解消するめどが立たず清算を決めるに至った。
27年3月末に生産終了し、28年6月末に会社清算をする予定。製品供給は取引先と相談、「サプライチェーンへの影響がないように努める」という。「長年培ってきた技術、設備、サプライチェーンなどについて、今後も産業の発展に生かすことが望ましい」とし、有形、無形資産の活用に関心のある企業、団体を求めている。