オーロラは、HIKKY(ヒッキー、東京)が手掛ける世界最大級のメタバース(インターネット上のバーチャル空間)イベント「バーチャルマーケット2023サマー」(Vケット)に出展し、ECにひもづけたVR(仮想現実)コンテンツを打ち出している。世界からのアクセス数が毎回約100万件に達する同イベントの規模を生かし、自社製品の認知拡大を目指す。
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オーロラは今年6月、東急プラザ表参道原宿に初のコンセプトストア「オーロラ」を開くなど、Z世代や外国人客といった新規顧客の開拓を進めている。今回のイベント出展は、その一環として「若年層を中心に新たな客層へアプローチするのと同時に、オムニチャネル化を加速させる狙いがある」(岩出眞康取締役商品統括部長兼ブランドマーケティング第一部部長兼広報宣伝室長)という。
ブースを出したのは、同イベントのバーチャル会場内にある秋葉原の街並みをイメージした「パラリアル秋葉原」だ。メインで見せる内容には、オーロラのECでも提供している傘のオーダーメイドサービス体験を据えた。
来場者は、イベントのために特別に用意された5種類のアートビジュアルの中から好きなものを選ぶ。画面の指示に従いながらオリジナルの傘をデザインすると、VR画面上に3D・CGで360度忠実に再現された傘が生成される。生成後には1クリックでオーロラのECサイトにアクセスし、同じ傘を注文できる。
傘3種類、帽子2種類の既成アイテムも、ブースからアクセスできるECで販売している。これらを再現したCGモデルをVR上で試着可能で、傘の開閉の動きや帽子の生地感まで細かく表現している。
VRならではの取り組みとして、秘境の観光地で知られるウユニ塩湖を再現した空間で傘の試着を楽しめるほか、ビームやバリアといったゲーム風のエフェクトを出せるバーチャルの傘がもらえるコーナーも設けている。
岩出部長は「100万人のイベントアクセス数は大きな魅力。デジタルに親しみのある若い層につながれる。自社ECは越境販売が可能なので海外にも販路を広げたい。ブースにはアンケート機能があるので、商品ニーズの吸い上げも期待できる」と見据えた。イベントは30日まで。