レトロな雰囲気のジャポニズムを表現
伴真由子さんのデザインするレディスブランド「BANSAN」は、作家の向田邦子さんをモチーフにした顔をワンピースにあしらうなど、独自の感性から表現するジャポニズムで注目を集めている。各地の伝統工芸を生かしたアイテムを製作するなど、国内産地との協業にも積極的だ。8月には外務省の日本ブランド発信事業として、チリ、ペルーで商談会やショーを開催する予定だ。
デザイナーの伴さんは、文化ファッション大学院大学を卒業後に、エスニックな服を取り扱うアパレルメーカーにデザイナーとして就職。在職中に家族をテーマにした作品で装苑賞の佳作1位を受賞し、その後15年秋冬から自身のブランドであるBANSANを立ち上げた。
自身のデザインについて「おばあちゃんの持っている風呂敷をかわいいと思う感覚」と語る伴さんは、懐かしくレトロな雰囲気を、身の回りのモチーフを用いた独特の色彩感覚で表現する。注目を浴びたのは16年春夏向けコレクションで発表した、通称「邦子ドレス」。
自身の好きな向田邦子さんをイメージした顔を中央に配したインパクトのあるドレスで、やかんやのれんをプリント柄に使うなど、ポップなプリントデザインも特徴だ。邦子ドレスの反響は大きく、向田邦子さんの特番を企画していたテレビ局からの取材もあったという。