ビームスのメンズカジュアル「ビームスプラス」は10月、新潟県立五泉高等学校で特別講義を開いた。11月15、16日にニット産地の五泉市で開催される「五泉ニットフェス」に向けた活動の一環。特別講義では、小売りの視点から物作りや産地の魅力を語り、未来を担う子供の教育に貢献するとともに、地域活性化を目指す。
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商品知識を深める
五泉ニットフェス実行委員会と五泉高校が組み、特別講義を企画した。総合学科の「地域の課題解決型学習」と位置付ける教育の一環で、ビームスプラスのほか、実行委員会や五泉市観光協会、地元ニッターが協力して4回の授業で構成。同校の生徒は以前からニットフェスにボランティアとして参加している。昨年までは会期中の手伝いのみだったが、今年から事前に産地や地場産業について学ぶ機会を設けた。
一方、ビームスプラスは、昨年から五泉市で販売員研修を実施。ニッターを回り物作りを身近に見て商品知識を深める機会としている。産地との交流を通じ、今年初めてフェスへの参画が決まった。販売員研修の参加者が中心となり、市内のニッターとともに作った服をフェス会場で販売し工場見学ツアーやトークイベントなども計画している。
特別講義は、ビームスプラスと五泉産地をつないだニッターのナックの長谷川泰社長のあいさつから始まった。講義を機に「フェスに関わったり、将来ニット産業に就職する人が出れば、五泉市の物作りが絶えず続いていく」と訴えた。
常連客をファンに
講師として登壇したビームスプラスの溝端秀基ディレクターは、ブランドの紹介や、自身の職業や仕事で意識している点などを話した。「商品をデザインし、どういう形で価値を客に届けていくか」「常連客にいかにファンになってもらい、応援してもらえるか」を説き、「みんなが住む五泉市の魅力を色々な人にどのように伝えていくか。フェスを活気づけることを一つの課題にして考えてみてほしい」と語った。

同校キャリアガイダンス部の教諭は「初めは受け身の姿勢だった生徒も、大人に地元の産業について教えてもらい、徐々にフェスのボランティアを通じて恩返ししたいとの気持ちが芽生えているのではないか」と生徒の活躍に期待を示した。
講義を受けた生徒は、「ファッションのデザインから販売までの流れを学べた。フェスを盛り上げられるようにがんばりたい」と感想を述べた。

