尾州産地が今秋、羊とウールをテーマにしたイベントを活発化させている。今年が一宮市政100周年の節目ということもあり、ウールテキスタイルの世界的な生産地の知名度を業界だけでなく地域にも浸透を図り産業観光の切り口でビジネスを活性したいという思惑もある。産地有志など民間が受け皿を作り、行政や業界団体を巻き込んでいるところも特徴だ。
産地企業で働く若手社員で構成する「尾州のカレント」は、尾州の毛織物を象徴するシャトル式広幅織機「ションヘル型織機」を工場から一宮駅周辺に移設し、「ストリートションヘル」と銘打ってパフォーマンスを行った。初日の10月23日は一宮駅前で製織を実演。翌日には一宮駅前商店街で実演した。現在は一宮駅コンコースに展示し実演も予定している。
「羊と直に触れてもらおう」をテーマに「138ひつじフェスタVI~いちのみや羊ナーレ2021」が、一宮活性化プラン協議会「138ひつじプロジェクト」主催で、一宮市内で羊との触れ合いの場を設けたほか、羊毛のワークショップも行った。
コロナ禍で6月開催を延期した「ひつじサミット尾州」(ひつじサミット尾州実行委員会)は10月30、31日に、一宮市を中心とした愛知県尾張西部地域と岐阜県羽島市の一帯37カ所で、77イベントを分散開催する。
「世界の高級ウール3大産地の一つ、尾州を知ってもらおう」と生産工場を一般公開。物作り体験だけでなく、上質な糸や生地、洋服を「お値頃価格で購入できる」ともする。
ひつじサミット尾州に続いて行われる予定だった「尾州ツイードラン」はコロナ感染防止策から、来年3月に延期となった。