子供服EC「キャリーオン」 0~5歳児のママが支持

2018/06/13 06:28 更新


 キャリーオン(東京、吉澤健仁社長)が運営する子供服・子供服飾雑貨専門の買い取り・販売ECサイト「キャリーオン」が、0~5歳児の子供を持つママたちから好評だ。サービス開始から約5年で会員数は2万人を突破。1カ月間に約2万着の子供服が売買され、累計販売点数は25万点に達した。

 リユースの実店舗の買い取り金額に不満を持ち、CtoC(消費者間取引)サイト・アプリでの売買は手間だと考える層の支持を広げている。

(友森克樹)

◆出品者ごとに管理

 キャリーオンの大きな特徴の一つが、ポイントによるシェアエコノミーだ。現金での買い取り・販売はせず、1円=1ポイントで買い取り・販売する。通常のリユース店・サイトでは売る人と買う人が異なるが、キャリーオンでは、売った人がまた買うというサイクルができている。ポイントはアマゾンギフト券や図書カードなどに交換することもできる。

 もう一つの特徴は、商品を出品者ごとに管理している点だ。出品者の顔や名前といった個人情報は表示していないが、例えばAさんが出品する商品は一覧で見られるようになっている。「Aさんとは趣味が合う」「Aさんはセンスが良い」などの観点から服を購入できるため、他のリユース店・サイトを利用するよりも、「購入する際に人のぬくもりを感じられる」と好評だ。

 売りたい人は、キャリーオンから送られてくる専用キットに服を入れ、同社に送るだけ。送料は無料だ。平均25~30点を売る人が多い。その後、査定・買い取り・商品登録の流れを経て、買いたい人に販売される。平均購入点数は5点、平均客単価は4000円という。取り扱うブランドは国内外のブランド子供服が中心で、国内SPA(製造小売業)の服などは買い取り・販売していない。

「キャリーオン」のトップページ

◆〝価値ある〟会員基盤

 今後は「ママにとって価値のあるサービスを拡充し、新しい経済圏の構築」(吉澤社長)を目指す。現在、会員は30~40代の都内在住者が多い。この会員基盤を活用し、子供服だけでなく、レディスやベビー用品、新品の子供服のアウトレット販売、広告など事業を広げる考えだ。

 「0~5歳児を持つママ層にアプローチしたい企業は多く、当社の会員基盤はマーケティング情報として価値がある」と見ており、既に住宅展示場や写真館などと連携したサービスを行っている。キャリーオンのポイントが利用できる販路を増やすため、他企業と積極的に提携する。ママ向けのレディス古着は今年中に扱う予定だ。

 前期(18年4月期)は売り上げが2倍増となった。今期は4倍増を目指している。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事