コントワー・デ・コトニエ、デザイナーに聞く

2015/07/06 06:23 更新


デザイナーに就任したアン・ヴァレリー・アッシュさん

まず手掛けたことはなんですか? 

「顧客を見つめてワードローブを考えました」

 仏レディスブランド「コントワー・デ・コトニエ」は15~16年秋冬から、フランスのデザイナー、アン・ヴァレリー・アッシュを迎えて新たな発信をスタートする。モードと実用性を兼ね備えたデザインに定評のあるデザイナーは現在、自身のブランドを休止中。そんななか、もうすぐ20年を迎えるブランドで目指した服作りを聞いた。

 コトニエの魅力は、フェミニンとマスキュリンのコントラストです。それを軸にしながら、顧客を引き付けるのは何なのか。それを追及するために、顧客をしっかりと見つめるところから服作りを始めました。 

 彼女たちは上品で洗練されていて、ブランドを信頼してくれている。また、ファッションを常に追うタイプではないので、スタイルに重きを置くことにしました。パリのトラディショナルなテイストと、現代的な女性像をミックスしたスタイルです。ファッションは毎シーズン変わるけれど、スタイルは深いところにある。日常を生きる全ての世代の女性に発信するために、生活とスタイルに重きを置いてデザインを進めました。

 まず彼女たちのワードローブに何があるのかを考えて、必要なものを挙げていきました。良いスーツ、白いシャツ、黒いすてきなレザージャケット。イージーシックな気分が楽しめる上質な日常着を目指しました。

 デザインはオーセンティックな服にツイストを少し加えました。例えば、シンプルなセーターの後ろに小さくV字のカットを入れたり、すとんとしたセーターの脇にスラッシュを入れたり。レースアップを斜めに入れたスニーカーもアイコニックな存在です。新規客を開拓することも課題だったので、ルックブックでは若々しさを出していますが、モデルの顔を隠すとコトニエらしさを感じてもらえると思います。

 ピラミッドの上の方に位置していた「アン・ヴァレリー・アッシュ」に対して、コトニエは多くの人が着ることを想定しています。だから手に取りやすくてリアリティーがあることが重要です。もちろん、グッドプライスであることも。例えば、ジャケットなら3万5000円くらい。以前は10倍近い値段の服を作っていましたが、今はその価格にリアリティーを感じなくなりました。そういう意味でもコトニエでの仕事は、新しいステップになるはずです。これまでの経験を生かしてコトニエの服を作ることが今の私の挑戦です。



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