【パリ=松井孝予通信員】仏LVMHは6月2日、傘下メゾン「クリスチャン・ディオール・クチュール」のウィメンズのプレタポルテとオートクチュールのアーティスティックディレクター(AD)に、ジョナサン・アンダーソン氏を任命した。初コレクションは、6月に開催される26年春夏メンズで、続いて9月末からのウィメンズウィークで披露される予定。
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アンダーソン氏は13年にLVMH傘下「ロエベ」のADに就任。クラフツマンシップに現代性を取り入れたコレクションでブランド価値を高め、売上を4倍に伸ばし、グローバル展開を成功させた。
ラグジュアリー市場は成長鈍化にあり、LVMHにとって「ルイ・ヴィトン」に次ぐポジションにあるディオールの再活性化は急務とされる。4月に開かれた同グループの株主総会では、ベルナール・アルノー会長がアンダーソン氏のディオール・オム就任を公式発表前に公言しており、期待の高さがうかがえる。デルフィーヌ・アルノー氏とアンダーソン氏には、ディオールを次なる成長へ導く役割が託されている。