シューズデザイナーの佐川智仁さんが手掛けるスニーカーブランド「DUSK STUDIO」(ダスク・スタジオ)。コロナ下の21年に東京・蔵前にのショールーム兼ショップをオープンし、今年からは卸売先の開拓に取り組む。今後はアーティストやミュージシャンとの協業などを広げ、海外にも発信していく計画だ。
ブランドの立ち上げは20年。ダスクはたそがれ時を意味し、「昼から夜に移っていく時間と、その美しい景色のようにスニーカーと靴の間にある魅力を創造したい」との思いを込めた。靴の基本である足型(ラスト)から企画・製造し、日本の伝統的柄や染め加工を採用しつつストリート調に仕上げるのが佐川さん流だ。代表商品は泥染めしたスニーカーや和紙をラバーコーティングしたもの。
「トラディショナル、イノベーティブ&クリエイティブ」をコンセプトに、基本や伝統の製造とハイテク素材や色使いを融合させたフットウェアを提案している。SDGs(持続可能な開発目標)にも気を配り、使用している豚革は国産の原皮で、売れ残りや廃棄を出さないように企画数は毎シーズン10SKU(在庫最小管理単位)、1モデル(3サイズ展開)30と生産を抑えている。スニーカーが2万7500円、革靴タイプが4万6000円。
佐川さんは高校生で「エアマックス」をきっかけにスニーカーにはまり、大学を卒業後にシューズの専門学校で学び、老舗シューズメーカーに入社して企画生産を担当。12年に独立して靴の企画デザイン、OEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)会社ルーツアンドシューツを起業した。国内の有力ストリートブランドをはじめ、国内外の著名アーティストやハイブランド、大手セレクトショップの別注、さらに老舗イタリアブランドの日本企画の立ち上げに携わるなど実績豊富だ。現在、スニーカー800足、レコード6000枚を所持するコレクターでもあり、佐川さん自身がファッションや音楽を通じて体験し、その中で培われてきた感性で作っている。