バロックジャパンリミテッドが9日に「エンフォルド」、10日に「マウジー」の路面店をニューヨークにオープンした。
エンフォルドはウェストビレッジのブリーカーストリート沿いで、売り場面積約80平方㍍。周辺には「マーク・ジェイコブス」「シンシアローリー」「コーチ」などが軒を連ねる。
木やれんがの質感を生かしたナチュラルな内装だ。マウジーはソーホーのブルームストリート沿いで、約165平方㍍。「トゥモローランド」「パドカレ」の直営店がすぐそばにある。デニムを強調したディスプレーで、奥にはゆったり座れるラウンジがある。
価格帯は両ブランドとも日本の約1.5倍。商品は日本と同じだが、来年度からはニューヨーク用に防寒用のアイテムやパーティードレスを加える予定だ
エンフォルドのクリエイティブディレクター、植田みずきさんは、3年前からパリで展示会をして、欧州を中心にアジアの客が多いため、アメリカにもチャレンジしたかったという。ブランドの世界を見せようと、直営店をオープンした。
マウジーは5年前にニューヨークのミートパッキング地区で期間限定店を試している。日本製のデニムに限定して15年秋冬物から卸売りを開始。西海岸のショールームと契約したことから、現在の卸し先はロンハーマンやアメリカンラグ・シーなどがメインだ。
NYの直営店を拠点に、東海岸でも卸し先を開拓する。米国法人であるバロックUSAリミテッドの深澤晢人CEO(最高経営責任者)は、「ファッションウィーク中にオープンさせるのが命題だった。来月にはローンチイベントをする」と話す。デニムは大きなサイズの客にも対応できるよう31?まで揃える。
同社の村井博之CEO兼社長は、「最初の2年は対面販売、卸、ECを通じてフィット&ギャップ(分析)する。日本ではSNS(交流サイト)と口コミでブレイクした。ニューヨークでも最初の2年間でロイヤルカスタマーを形成していく」とする。3年目までに売上高10億円を目指す。
「アメリカのファッションリテールは悪いと言われるが、大手ブランドが縮小すれば参入障壁が低くなり、好機になる」。ECでは10~11月に日本のシステムを刷新し、英語と中国語でも対応を始める。米国内客へはNY店から発送する。(杉本佳子通信員)