今春、欧州シューズブランドが日本でベビー・キッズラインの販売に乗り出した。価格は若干高めだが、親や祖父母世代に認知されており、ドレスカジュアルやスクール用途など多彩なデザインが揃う。
国内ブランドやスポーツブランドのスニーカーが中心の子供靴市場に、有力なプレーヤーが加わった。
(須田渉美)
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英国「クラークス」を輸入販売するクラークスジャパンは1日、ゾゾタウンで「クラークスキッズ」を発売した。日本ではこれまで、セレクトショップにデザートブーツのみ卸売りしていたが、欧州では子供靴の最大手。約170年の歴史の中で足の成長や健康に関する知識と技術を蓄積し、あらゆるシーンに対応する靴を揃える。
日本では今春夏、シーズンコレクションを中心に14モデルを扱う。本革を使ったメリージェーンやデッキシューズには衝撃吸収性の高いインソールが入り、成形ニットスニーカーやサンダルは家庭洗濯できる。定番のスクールシューズも販売する。14~23.5センチ、7000~1万1000円。今春夏は2000足近くの販売を予定しているが、まずは「現状の価格帯でどれほどの需要があるか見極めたい」という。
デンマークの「エコー」を輸入販売するエコージャパンは6日、直営の銀座店と青山店、自社ECで「エコーキッズコレクション」の販売を開始する。大人向けの上質な革スニーカーで実績を上げており、共通のインディゴレザーを採用するなど親や祖父母の共感を誘い、3世代での愛用を目指す。
また、独自のダイレクトインジェクション製法を生かし、骨がまだ安定していない成長期の足をサポートする作りや履き心地の良さも特徴。今春夏は12モデルを扱う。12~21.5センチ、1万~1万4000円。一部の百貨店では催事販売も予定する。
この2ブランドに並ぶ子供靴に伊「ジェオックス」がある。日本に入ってきたのは10年以上前で、現状は直営2店と、百貨店の子供靴売り場24店、キッズのセレクトショップへの卸売りを行う。防水透湿のラバーソールなどの独自技術や、イタリアンテイストの大人っぽさに定評がある。1万円前後。
雰囲気の異なる欧州ブランドが近い価格帯で揃い、子供靴売り場の活性化につながる材料になりそうだ。