香港で4月20~23日に開かれたファッションの合同展「ファッション・インスタイル」はサステイナビリティーを意識した商品が目立った。4月22日から香港政府がプラスチック製品規制を強化したことも理由の一つ。素材、デザイン、生産地、製造手法にこだわり、意識を高める。
(森田桃子)
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市民の意識を高めたい
2年前に設立したばかりの新興のバッグブランド「AskuksA」(香港)は、素材の選定とデザインで、消費者の環境意識向上を目指すバッグやレザー製品を販売する。リサイクルポリエステルやリサイクルレザーと、道路標識をモチーフにした大胆な色使いとグラフィックが特徴だ。サステイナブルな未来に向かう「青信号」を示す緑から、「進め」を表す青の矢印や「工事中」を示す赤と白のコーンなど、交通サインをデザインに落とし込み、環境配慮への啓蒙(けいもう)をユニークに伝える。トートやショルダーバッグ、ポーチや財布など。「香港はまだ環境配慮が進んでいない。商品で環境への意識を根付かせたい」とする。
ブイ・ビジョナリー・デザイン・スタジオ(香港)が手掛ける「VVISSI」は19年に始動した、素材や製造工程で持続可能性を追求するアパレルブランド。イタリアの生地サプライヤーから仕入れた生地見本や縫製工場の試作品など、不要になった上質な生地の端切れをアップサイクルし、ジャケットやドレスに仕上げる。23年のコレクションでは、建築家トーマス・ヘザウィックのガラス建築から着想したジャケットを企画し、使われなくなった生地に命を吹き込んだ。