オートクチュール期間中に独自のショー開催

2017/07/12 04:29 更新


 17~18年秋冬オートクチュールコレクション期間中は、プレタポルテコレクションをいち早く見せるブランドが増え、発表ブランド数が例年に比べて急増した。そんななか独自の切り口でファッションショーを行うハイブランドも目を引いた。

フェンディ

 「フェンディ」はパリのシャンゼリゼ劇場で、「オートフリュール」コレクションを発表した。オートフリュールとはファーのオートクチュールコレクションのことで、15年にショーを開始。ファーを得意とするフェンディならではの企画で、毎シーズン各地で発表している。

 デザイナーのカール・ラガーフェルドとシルヴィア・フェンディは、「別世界からの花たち」をテーマに新作を作った。花の芽吹きから満開までを、春から冬へと移り変わる季節に合わせて表現している。ファーコートやイブニングドレスは、肩のあたりが丸く膨らむ。袖はつぼみが開くようなシルエット、スカートは羽根のように広がる。アイリスやデイジーなどの花々をファーの象眼細工で表現し、刈り毛のミンクファーには後期印象派の絵画のような風景画を手描きした。

フェンディ

ミュウミュウ

 「ミュウミュウ」は一夜限りのプライベートクラブ「ミュウミュウ・クラブ」をオープンした。会場は「フランス自動車クラブ」のパリ本部。音楽や映像などさまざまなコンテンツが楽しめる企画で、その一環として18年クルーズコレクションを発表した。

 新作の中心アイテムは、レーシングスーツや作業着を思わせるジップアップのコンビネゾン。ニットのミニコンビネゾンはオレンジと赤、サックスブルーと白といったレトロな色合わせ、サーキットを思わせるグラフィックラインやヘムの2本線がポイントになっている。

 作業着風のコンビネゾンにはチェッカーフラッグやミュウミュウのロゴのワッペンをアップリケ。ビッグシャツとオールインワンの重ね着は、袖を腰に巻いてよりカジュアルに。柄ミックスとビジュー飾りで装飾的に仕上げている。

 会場デザインを担当したのは、建築家レム・コールハース率いるAMO。劇場用のスポットライトに照らされたモデルたちは、サーキットを連想させるグラフィックラインに沿って登場した。


ミュウミュウ


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