OSMインターナショナル(東京)は、日本総代理店契約を結ぶ米スポーツライフスタイルブランド「フォーティーセブン」(’47)の売り上げが好調だ。22年から常設3店を首都圏に出店し、MLB(米大リーグ)公式ライセンスキャップなどが20~40代の女性に人気。3店では購入客の半分以上が女性で、女性が普段着にキャップを合わせるスタイルの広がりを受け、全国の主要都市に出店を拡大する計画だ。
フォーティーセブンはボストンで1947年に発売し、MLBはじめ米国4大プロスポーツとパートナー契約を結ぶMLB公認ブランド。16年に日本に進出し、プロ野球球団の公式ファンキャップほか、小売店やスポーツ量販店の一部でMLBのライセンスキャップを販売。19年ごろから一般客向けの販売も本格化し、20年から1年に4、5店ペースで期間限定店を出店している。
一般客の主対象は30代、40代の家族客に設定し、22年に二子玉川ライズ・ショッピングセンターに常設1号店、昨年7月に横浜・みなとみらいに2号店を出店。今年4月には新たに20代、30代の独身の高感度層まで対象を広げ、東急プラザ原宿に3号店を開設した。
売り上げは1号店が24年1~6月で前年同期比2ケタ増。2号店、3号店も計画を上回るペースだ。オンライン店も、出店による認知度向上と、MLBでの大谷翔平選手の活躍の後押しもあり、23年は20年比で倍増、24年も6月までで89%増とほぼ倍増。ECでは大阪や名古屋ほか、北海道など全国にファンが広がり、女性比率も19年のほぼゼロから現在は25%に増加。常設店では女性が50~60%を占め、1号店は30代、2号店は40代、3号店は20代が最も多い。
売れ筋の〝クリーンナップ〟シリーズは、丸みを帯びた浅めのキャップで耳に当たらず、つばがカーブした上品なデザイン。綿100%で洗い加工を施しているため柔らかく、金のバックルでサイズを調整でき、フィットしやすい点が好評だ。人気のドジャースとヤンキースのキャップは各30色など品揃えも豊富で、中心価格4000円台。
店頭では試着し、かぶり心地の良さを実感してから購入するため、素材や色違いを買いに来たり、家族や友人と再来店する客が多い。女性に人気の色は、20~21年は緑、22~23年は茶系、23年からはピンク、今年に入って生成りなどナチュラル系。流行も意識し、服に合わせて帽子の色を変える人が目立つ。
街でもキャップ姿の女性が増えていることについて、同社は「コロナ下で在宅勤務中にノーメイクでマスクと帽子を着用して外出する女性が増え、アウトドア需要も拡大した。猛暑を背景に、子供の送迎や公園での付き添い時など、日常的に着用するママ層が目立つ」という。海外で高級ブランドのモード系の服にキャップを合わせるスタイルが人気のため、日本でも様々なファッションに合わせやすい小物として、さらなる広がりを期待している。