【パリ=松井孝予通信員】中国政府は、フランスが9月1日に施行したファストファッション規制法の環境負担金について、施行を直ちに停止しなければ対抗措置を取ると警告した。「シーイン」「テム」「アリエクスプレス」など中国系越境EC企業が主な対象になるとみられ、制度を巡る対立が両国間の通商摩擦の火種となっている。
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中国商務省の黄玲報道官は定例会見で、「明らかに差別的な貿易制限措置」と批判した。環境保護や持続可能性を名目に二重基準を適用し、世界貿易機関(WTO)の無差別原則に違反する疑いがあると主張。中国側の申し入れにもかかわらず、フランスが施行を進めたことで、中国系企業に「重大な事業上の損失」が生じているとした。具体的な企業名や損失額は示していない。
中国はフランスに施行の即時停止と、対等な対話による解決を要求。「独断的な対応を続けるなら、中国企業の正当な権益を守るために必要な措置を取る。生じる全ての結果はフランス側が負う」と警告した。対抗措置の内容は明らかにしていない。中国商務省は法律公布後の7月にも、同法が中国に対する貿易障壁に当たるとして対抗措置を示唆していた。
仏政府関係者は、制度は「差別的ではなく、環境と消費者を守るもの」と反論した。中国との対話には応じる一方、中国がWTOのルールに反すると考えるなら、中国側がWTOに申し立てできると指摘した。同法に基づく環境負担金の対象は、国籍や企業名を直接指定せず、販売する品番数と、平均修理費が新品価格に占める割合を基に対象を決める。フランス政府は施行を継続する姿勢を示している。