世界はパンデミック(世界的大流行)を経験し、異常気象も日常となった。さらには国家や地域間、あるいは国内での紛争や武力衝突が増えている。経済でも為替や株価の急激な変動に直面している。こうした政治や経済の予測不能な事態に対して、グローバル企業の間では「地政学」への関心が高まっているという。今後の日本企業の国際競争力回復の上でも不可欠な観点になっている。
(矢野剛・特別編集委員)
情報収集に時間費やす
今年7月に開かれたIFI(ファッション産業人材育成機構)ビジネス・スクールの経営者・幹部向け「エグゼクティブ・コース」で、一條和生学長(スイスIMD教授)から世界的な経営に関する知見が提供された。
なかでも〝レジリエンス〟は大事なテーマだ。回復力や復元力の意味だが「予測できない変化を乗り越え、以前よりも高いパフォーマンスを発揮すること」と説明される。予測できない変化による影響を回避するため、世界の経営者の間では「地政学が日常語になり、5年前と比較して倍以上の時間を情報収集に費やす」ようになったという。
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