物作りの楽しさを多くの人に――OEM(相手先ブランドによる生産)主力のギークペンギン(東京、角田理社長)は、個人でアパレル製品を作り、売ろうとする人を意識したサービスで支持を得ている。韓国の製品市場のアテンドが好評で、今春には韓国生地の仕入れ代行も始めた。
(関麻生衣)
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ネット販売に注目
18年設立。「熱量のある物作りに関わりたい」という角田さんの思いが会社立ち上げの原動力になった。角田さんは服飾専門学校卒業後、ブランドやメーカーでデザイナーとしてキャリアを積んだ。物作りは好きでも、大量に商品を生産し、シーズンが過ぎれば値引き販売する業界の現状に疑問を感じていた。

10年ほど前、インフルエンサーとして活躍する人が世間に出てきた頃だった。ファッションが好きなアパレル未経験者がネットで服を売り、SNSの投稿には「可愛い!」「いつ発売ですか?」といったコメントがあふれていた。
売り手と買い手の「熱いやり取り」に感銘を受け「インフルエンサーが商品を作り、販売できる環境を提案したい」と考えた。16年にOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)サービス「デザインラボ」を始め、ギークペンギンの基盤になった。最小50枚から発注でき、レディスやメンズ、子供服のほか、犬服、服飾雑貨にも対応する。
角田さんは以前、勤めていたアパレル企業が韓国に生産背景を持っていた縁から、多い時で2カ月に一度訪韓し、生地市場にも素材を探しに通った。その知見を強みに、客から要望があれば東大門市場や南大門市場を案内する〝韓国アテンド〟もするようになった。
常に500種類揃え
韓国生地の仕入れ代行サービス「ぺんぎんでりばり~」は、デザインラボや韓国アテンドの利用者の要望を受けて着手した。東大門市場には意匠に凝った素材が充実し、SNSやハンドメイド市場では、この数年、韓国生地の人気がじわりと高まっているという。
受注のたびに生地を仕入れていては、都度、送料や素材の混率などを調べる必要があり効率が悪い。そこで、ECサイトを開設し、各商品の情報を常時記載していつでも注文を受けられる仕組みにした。

常に500~600種類を揃え、1色4.5メートルから発注が可能。利用者自ら東大門市場で選んだ生地見本を東京の事務所に送ってもらい、代わりに買い付ける場合もある。納品は最短で5~10日営業日。
デザインラボもぺんぎんでりばり~も、根底には「物作りの面白さを多くの人が味わえるサービスにしたい」との思いがある。ぺんぎんでりばり~は、言語や商慣習の違いによる仕入れの負担を軽減できる点が評価されている。「ぺんぎんは地上では飛べないけれど、水中では空を飛ぶように泳ぐ。個人でも物販できる時代。ネットの中を羽ばたける手伝いができたら」と角田さんは話す。