LVMHプライズ、大賞はグレース・W・ボナー

2016/06/17 21:06 更新



 LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループによる若手クリエイターの育成・支援を目的にしたファッションコンテスト「LVMHヤングファッションデザイナープライズ2016」(LVMHプライズ)は、大賞に「ウェールズ・ボナー」をデザインするグレース・ウェールズ・ボナーを選出した。賞金は30万ユーロ(約3540万円)。LVMHグループによる1年間の助言や指導の権利も与えられた。

 ボナーは英国生まれの25歳。14年にセントマーチン美術大学を卒業し、15~16年秋冬ロンドン・メンズ・コレクションでデビュー。彼女のアイデンティティーである欧州とアフリカをハイブリッドしたアプローチで注目されている。ミラノのディエチ・コルソ・コモや香港のジョイスなどが販売している。

 16日に開催された最終選考会では、「ソウルフルな仕事や洗練されたシェープ」が評価された。選考会にはカール・ラガーフェルドやマーク・ジェイコブスらデザイナーと、デルフィーヌ・アルノー「ルイ・ヴィトン」エグゼクティブバイスプレジデント、ピエール・イヴ・ルセルLVMHファッショングループ会長兼CEO(最高経営責任者)が参加した。   

 大賞に続く特別賞は、「ヴェジャス」をデザインするカナダ出身の19歳男性ヴェジャス・クルシェフスキーが受賞した。賞金15万ユーロ(約1770万円)。1年間のメンターシップも与えられる。15~16年秋冬ニューヨークコレクションでデビュー。米オープニングセレモニーや日本のラッドラウンジ、シスターが販売している。

 今回、ファイナリストにノミネートされたのは「コシェ」のクリステル・コシェや「Yプロジェクト」のグレン・マーティンス、日本人で初めてファイナリストに選ばれた「ファセッタズム」の落合宏理ら8人。注目株が多いなかでの選考となった。

 同プライズは今年で3回目。歴史の浅いコンテストとはいえ、ファイナリストにノミネートされるデザイナーは次世代を引っ張る存在が多く、注目度が高い。世界的に若手デザイナーへの関心を高めるきっかけにもなっている。ウェールズ・ボナー(16~17年秋冬コレクション)



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