レディスインナーのネット販売を手掛けるHEAVEN Japan(ヘブン・ジャパン、大阪府河内長野市)は、リアル店舗の試着体感サロンを今期は首都圏で、20年は全国主要都市での開設を目指す。エリアごとにオリジナル商品の正規取扱店も増やし、顧客接点を拡大する考え。このほど河内長野市では、エステサロン「ラ・ジュール」と組んだ1号店をオープンした。
(山田太志)
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ヘブン・ジャパンは03年、創業した。苦戦した時期もあったが、現在の年商は7億円規模まで伸びてきた。60人弱の社員の大半を女性社員が占める。ネット販売は本店が20%台、楽天が30%と2本柱になり、残りをそのほかの有力モールで販売する。16年には大阪・心斎橋にリアル店舗1号店となる試着体感サロンを開設した。ネット・リアル店・SNS・電話の問い合わせなど多様な情報のビッグデータ化を進めており、「インフォメーションSPA(製造小売業)を目指す」(松田崇社長)。
インナー事業を核にしながら、ビッグデータの活用やCRM(顧客管理)のノウハウなどを生かした新しい収益モデルの構築にも取り組む。一定の規模となったことから、基盤整備も重視。当面の課題として①組織作り②仕組みの構築③マネジャー養成④教育制度の充実⑤資金⑥企業価値の向上――に力を入れる。
ラ・ジュールは国内の取扱店を増やすための第1号店だが、海外販売も強化する。既に韓国ではエステサロンを手掛けるJMカンパニーを代理店に店舗を展開、代理店方式のノウハウを蓄積しながら、今後は中国、東南アジアでの事業も視野に入れている。
エステサロン「ラ・ジュール」 施術後のボディーケアに補正下着
エステサロン「ラ・ジュール」は5月7日にオープンした。オーナーの伊原亜由美さんは、約4年間自宅でボディーケアを手掛けてきた。かねてから施術後のケアの重要性を感じていた伊原さんが出合ったのがヘブン・ジャパンの補整下着。同じ河内長野市という縁だけでなく、商談が進むなかで伊原さんとヘブン・ジャパンの松田社長がPTAで顔見知りだったことも分かった。
正規取扱店になるには、しっかりした事業を行っていることに加え、試着体感サロンで20時間の研修を受け「適正下着アドバイザー」の認定を受けることが条件になる。伊原さんは、その研修で「商品の機能性に加え、こんな丁寧なフィッティングがあることに感動した」と言う。
念願のサロンは、女性が非日常の時間を過ごせるような雰囲気作りを重視した。白を基調に天然木を生かした柱など、落ち着いた空間に仕上げた。施術台の奥には、ゆったりとした試着室があり、「脇肉キャッチャー」や「タニマドンナ」をはじめとする商品が並ぶ。まだオープンから1カ月だが、「サイズそのものを知らないお客さんも意外に多いことに驚いた」。自慢のケアと補整下着の提案をセットにした新しいサービスを定着させていく考えだ。