90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
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ゆかた異変 ギャルゆかた減り伝統返り
2000年8月5日付

各地で花火大会まっ盛り。ゆかた姿を昼から頻繁に見かけるようになった。しかし今夏のゆかた、すっかり様変わりだ。「やっぱり、ゆかたに厚底サンダルは似合わないじゃないですか」。女子高校生たちも手のひらを返したように伝統返り。話題をまいたギャルゆかたは影をひそめて、〝なごみ系〟正統派スタイルが目立つ。神宮外苑花火大会でも「おばあちゃんのお下がり」など、懐かしい紺地や白地、渋くてモダンな柄のゆかたが多かった。
毎年、アバンギャルドなゆかたファッションが話題になる花火大会。しかし、今年は高校生や大学生のカップルも伝統スタイルですましている。女の子たちのグループも厚底サンダルやガングロ化粧をやめて、柄も伝統的な朝顔やききょうのゆかた。
もっとも多かったのは紺地。裾と袖をたくしあげたり、派手色マニキュアや大玉アクセサリーで飾ったりといったアレンジをしても、目立ち過ぎずにシック。レトロで渋い色合いや柄のゆかたも多く、クラシック返りした服のトレンドと流れは重なっている感じだ。取材したゆかた姿の若者の約6割がゆかたを新調している。百貨店や地元の呉服屋で反物で買って仕立ててもらったという高校生もいて、買い方も伝統返りだ。
《記者メモ》
海岸やプールでの水着スナップだけでなく、毎年、花火大会でもスナップ取材をしていました。
(赤間りか)
