ステーションヒル枚方 駅前の再々開発で定住・交流人口の増加へ

2024/09/25 13:00 更新


賃貸マンション、オフィス、ホテル、枚方モールなどで構成する複合施設のステーションヒル枚方

 大阪府北部の京阪電鉄枚方市駅前に周辺地区第一種市街地再開発事業による商業、オフィス、ホテル、賃貸マンション、行政施設で構成する複合施設ステーションヒル枚方が誕生した。「まちづくりを連鎖的に進めるリーディングプロジェクト」(京阪ホールディングス)であり、今後の駅前の再活性化につなげていきたい意向だ。

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魅力的な都市空間の形成

 駅前は、50年ほど前に土地の高度利用などの駅前再開発で整備され、かつては京阪百貨店、三越(05年閉店)、近鉄百貨店(12年閉店、現枚方Tサイト)と百貨店が3店あるほどにぎわっていた。枚方市の人口は約39万人(24年9月)で、減少基調が続いているとはいえ府下5番目に人口が多い市だ。駅の乗降客数も京阪電鉄駅の京橋、淀屋橋駅に次ぐ第3位で、コロナ禍前で1日約9万6000人が利用していた。京阪バスの発着数も1日約1000便ある交通結節点だ。ただ、不十分な歩行者空間や交通渋滞など駅前広場の再整備の必要性とともに、定住・交流人口の増加を促す機能の欠落などが課題となっていた。

 再開発事業は「周辺地域の活性化に寄与する魅力的な都市空間の形成」などを狙いに、駅北側の住宅棟の新設や駅前広場の整備、駅南側のにぎわい拠点の整備、住宅棟の新設を進めてきた。駅南側の第3工区に新設したのがステーションヒル枚方で、都市空間の形成の一環としてオフィス(7~17階、延べ床面積1万5500平方メートル)、約140室のカンデオホテルズ(19~26階)と約200戸の賃貸住宅棟が開業・完成している。オフィスには京阪電鉄の本社事務所を9月13日に移転し、業務を開始している。

日常使いできる館

 1~5階に新設したのが枚方モール。「高架下モールから、街へとつなげていくモールへと進化させたのが、今回の枚方モール」(大浅田寛京阪ホールディングス執行役員経営企画室まちづくり推進担当部長)とのことだ。幅広い客層が日常使いできる館を目指し、食品スーパーの「ザ・ストア」や「スリーコインズ」、ドラッグストア、食物販店や飲食店、「ダイソー」「ハンズ」など駅の利便性を高めるテナントを導入した。一方で、ファッションを中心に「ビューティー&ユースユナイテッドアローズ」「スローブイエナ」「ルタロン」など〝小ハレ需要〟に対応する沿線初出店のテナントも多数導入し、テナント揃えの高感度化にも取り組んだ。

 新設商業エリアと既存の高架下商業施設「京阪枚方ステーションモール」を合わせて枚方モールとなる。年間売上高は180億円(既存施設の年間売上高実績は約90億円)を見込んでいる。このほか、北側でも商業施設の開業が予定されている。



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