《聞きました》長く支持される魅力とは?
バイヤー・土村真美さん
東洋的な美しさにオンリーワンの価値
アッシュペー・フランスのセレクトショップ「水金地火木土天冥海」が今春で15周年を迎える。東洋の手仕事をコンセプトにし、バイヤーの土村真美さんが国内外から厳選するアイテムは、美意識の高い女性客を引き付けてきた。表参道の直営店1店の運営だが、売り上げは伸び続けている。
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当初はラフォーレ原宿に店がありましたが、07年に今の路面店に移ったことが大きな転機になりました。来店客が減る中でどうやって店を運営していくか、従来の小物雑貨の客単価では商売が成り立ちません。万人受けするテイストではありませんし、上司には「マイナー分野のメジャーをめざせ」と言われていました。
そこで品揃えとして広げてきたのは、個人で活動するデザイナーものや私が直接インドやネパールに出かけて見つけてくる一点物です。人との出会いが新たな出会いにつながり、価値あるものへと行き着くことが多いです。合同展も見ますが、いいなと思うブランドは、既にアッシュ・ペー・フランスの業態で扱っていることもありますし。
例えば、通い続けているインドでは、伝統工芸のエナメルワークの職人に出会い、オリジナルジュエリーを制作してもらっています。ゴールドをベースに日常に使える意匠を施し、土着的なムードが程良く入ったデザインに仕上げています。リングで7~8万円になりますが、定番として売れているシリーズの一つです。
ゆっくりとしたペースですが、質の高い手仕事を追求し続けることで共感してくださるお客さんも増えました。企画展などイベントの際には、全国から来店します。百貨店での期間限定店も若干行っていますが、基本的には表参道の直営店からの発信や接客を大事にしたい。