デニムアイテムをはじめとしたユニセックス「H.UNIT」(Hユニット)主力のH.UNIT(岡山県倉敷市)は、25年春にリメイクに特化した数量限定のブランド「ヒロフミマツダ」を打ち出す。23年からHユニットの企画を「表現したいモノ重視」(松田博文代表)にしたところ、売り上げが良くなった。ヒロフミマツダでは新品をリメイクして作り込むというさらに突き抜けた提案をする。
(小畔能貴)
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松田さんは岡山・児島のカジュアルメーカーで10年強、続いて岡山の有力ブランドで10年近く企画として経験を積んだ後、独立して15年に法人化。Hユニットは、ビンテージらしさと現代らしさを独自の視点で融合した国産カジュアルブランドで、国内外のセレクト店に販売する。
「万人受けするモノは結局価格勝負になるか、ブランドのネームバリューの高さで選ばれていく。それならば自分たちが作りたいモノにとことん注力すべき」と23年から企画をプロダクトアウト色の強いものにした。これが好評で、売り上げも伸び、販売先も約50に増えた。Hユニットの25年春夏物は過去最高の受注金額になった。
ヒロフミマツダはこれまでも不定期で古着からのリメイクを提案したことがある。だが、今回は新品を使ったリメイクブランドとして本格的に始動する。自らリメイク作業に携わるため、パンツ1本を製作するのに約3日かかる。「自分としては1型50点(枚)がマックスの生産量。年に1、2型を、売りたい店にしか提案しない」
25年1、2月に出す予定のミリタリーパンツは、新品を活用してリメイクするもので、3回加工する。長くはき続けたらどう変化していくかを考えたリアルな仕上がりだ。得意なジーンズも新品からリメイク作業を積み重ねたものを用意する。ともに税抜き8万円。
「このブランドは自分がいつまでも(何歳になっても)提案できる切り口。ユーチューブで製作風景も紹介しながら、今後は年に2、3型打ち出していければ」と考える。
Hユニットでは、24~25年秋冬物で「リー」との協業アイテムを実現し、25年春夏も継続販売。リーのライダーズデニムジャケットを、広い身幅のドロップショルダーで現代的なシルエットに仕上げたものが3万6000円。ライダーズデニムパンツは、少しルーズなスラックスをイメージしたシルエットに変更。前後にセンターシームを入れてきれいなラインが出るように工夫した。3万2000円。