伊藤忠商事は、人気キャラクター「おぱんちゅうさぎ」について、日本と韓国を除くアジア地域における独占的な商品化に関する権利を取得した。
おぱんちゅうさぎは、クリエイターの「可哀想に!」氏が手掛けるSNS発のキャラクター。可愛らしいデザインとユニークなキャラクター設定で、若者を中心に幅広い層の人気を得ており「24年10代女子の人気キャラクターランキング」(マイナビ調査)で、第1位に選ばれている。
伊藤忠は、21年9月にライセンス事業を行う合弁会社ライツ・アンド・ブランズ・アジアを香港に設立し、アジア市場におけるアニメ・キャラクターライセンス事業を推進している。24年5月には、上海支店を設立し、中華圏での取り組みを一層強化するとともに、「ムーミン」の独占ライセンスを中華圏に加え、東南アジアも獲得し、事業地域を拡大している。
伊藤忠は「ムーミンをはじめとするアニメ・キャラクターで確立したネットワークを基に、出資したスカパー・ピクチャーズの作品など、日本の有力コンテンツのアジア展開を加速する」考え。グローバルネットワークを生かし、ライセンシーを通じた商品を拡充、大手小売りでの拡販などで「アジア地域で、おぱんちゅうさぎのブランド力向上に努める」計画。
アジア太平洋地域でアニメやキャラクター関連商品市場は急拡大している。アニメ・キャラクターIP(知的財産)市場の年平均成長率は6.1%を見込み、29年までに1474億ドル(約21兆円)に拡大すると予測されている。近年では、SNSの普及を背景に、多くのSNS発のキャラクターが創出され、Z世代を中心に強い支持を得ている。ユーザーが手軽にコンテンツをシェアし、短期間で認知度が拡大する特徴を生かしながら、中長期的なコンテンツ育成・拡大のために、スムーズな海外展開の需要が高まっている。