GSIクレオスグループのレディスインナーメーカー、いずみ(大阪、佐藤大助社長)は今期、増収増益を計画する。主力事業である専門店チェーン向けODM(相手先ブランドによる設計・生産)をさらにレベルアップしていく一方、自社ブランドでぽっちゃりさん向けの大きいサイズ「グラマープリンセス」に力を入れる。
23年度(24年3月期)は急激な円安や原材料などのコストアップなどが響き、売上高は41億円で、5億円強の減収だった。今期は為替動向の不透明さはあるものの、前々期水準への売上高の回復と、増益(前期は若干の黒字)を計画する。ODMは、企画提案力のもう一段の強化、得意先や協力工場との密な連携のほか、リスク分散の観点からベトナム生産を強化。これまでは中国生産が主だったが、今期はベトナムを中心にASEAN(東南アジア諸国連合)生産を20%程度に高める。
グラマープリンセスはこの2年で売上高が6000万円、8000万円と伸び、今期は1億円を目標とする。ブランドサイトでのECを中心に伸ばす方針。インスタグラムなどを通じた告知で、東西の事業所で予約制の計測サービスも実施。延べ300人が来社し、ウェブサイトでのアンケート以外に、対面による貴重なデータ蓄積が進む。
従来、展示会にはほとんど出なかったが、10月に開催されるフェムテックトーキョーに初出展する予定で、来場者だけでなく、出展する異業種などの新規販路開拓も狙う。また、7月27、28日には福岡・UNION SODAで、ぽっちゃり女子応援マガジン『ラファーファ』がプラスサイズブランドの期間限定イベントを開催、いずみも参加する。同イベントとして初の福岡開催で、グラマープリンセスの九州などの顧客開拓を目指す。
海外販売も課題。昨年はインドネシアでの期間限定販売や現地ECモールへの出店などをスタートした。昨年末には海外営業部を設けており、今後はアジアや欧米でのリサーチを本格化する。
昨年夏にGSIクレオスの大阪支店のあるOMMビルに本社を移転、インナー事業に関する情報交換などが進む。海外販売ではグループ連携を一段と強化していく方針だ。