―2.日本の合繊の良さ―
日本の合成繊維の特徴について担当記者が答える「日本のゴーセンに胸はろう」連載の第2回。
前回、日本の合成繊維の世界シェアはわずか1%と小さいながら、その品質の高さで世界に知られると見てきました。だとしたら、こちら、知りたいですよね。
Q.日本の化繊・合繊の良いところは?
日本の化学繊維や合成繊維は、何が、他の国に比べて良いんですか?
A.大手糸メーカーと産地企業のタッグでヒット素材!
大手の合繊メーカーと、中小を含む産地企業が力を合わせた分業体制に特徴があります。合繊メーカーが糸を開発、生産するほかに、糸を縮れさせたりするような加工、織ったり編んだりして生地を作る工場、生地を染めたり、機能や風合いを変化させる染色加工などを担う企業が関わって産業が成り立っているのです。
化合繊テキスタイルの大半は北陸産地(石川、福井、富山)で作られます。80年代後半から90年代初めごろには、新しい風合いや質感の素材が次々登場し、〝新合繊〟と呼ばれる合繊素材の一大ブームが起こったのですが、それをけん引したのも合繊メーカーと産地企業のコラボレーションだったんですよ。
購入したダウンジャケットの表地に使われている薄くて丈夫な織物を作るのは、日本の得意技の一つ。高級ブランドや有名なスポーツやアウトドアのブランドにも多く採用されています。女性向けの服には、日本ならではの技術を生かして作られた、絹のような上品な光沢や麻のような風合いなどが特徴の化合繊の素材がよく使われています。