楽天ファッション・ウィーク26年春夏の開幕イベントとして、8月29日の夕方、日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW推進機構)の20周年アニバーサリーイベントが東京都内で行われた。これまでにショーを行った歴代のデザイナーも出席して歓談のひと時を過ごした。
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冒頭では、JFW推進機構の古茂田博事務局長があいさつし、今年1年をかけて「世界の継ぎ目となれ-JFW20+20-」をテーマに、「服作りをするデザイナーが行動を起こす場として、これからの20年につながる」ファッションウィークを目指すことを伝えた。
20周年を祝う乾杯の音頭は、過去最多のショーを行った「ヒロココシノ」のデザイナー、コシノヒロコさんが担った。「20年、実際には私たちにとっては40年ですが、どうしてパリでショーをやらないと世界が認めないのかな、やはり日本ではだめなのかな、と思い悩み、理想のために頑張ってきました。そのために本当に多くの方が働いてくださったと思う。私自身、デザイナーとして70年のキャリアを経るなかで、ファッションを取り巻く環境、世の中の洋服に対する概念は大きく変わり、コロナ禍といった打撃も受けました。それでも今、こうして若い方たちが元気に仕事をしている姿を目にして、東京も世界のファッション都市だと感じます。これからの皆さんの活躍を心からお祈りします」とあいさつした。
デザイナーの丸山敬太さん、芦田多恵さん、津森千里さんといったスペシャルゲスト、ファッションウィークを盛り上げてきた業界関係者も登壇し、それぞれ祝福の言葉を述べた。



同会場では、JFW推進機構が主催する「JFWネクストアワードブランド2026」のグランプリと特別賞の授与式も行われた。審査員の滝沢直己さんからトロフィーが贈られたグランプリの「ムッシャン」のデザイナーの木村由佳さんは「今回の受賞は、これまでの成果への評価と同時に、今後、社会に対してどう関係を結ぶか、どう向き合っていくか、服を通して意味ある発信をしていく新たな責任を感じる大切な機会だと思います」と話した。

特別賞の「ジュンワイ」のデザイナー、山本淳さんは会場内で作品を展示した。ランダムプリーツが入った生地をクリンプさせたレイヤードのドレス、プリーツを掛けたレース生地をつまんで柔らかな膨らみを造形したドレスなど、グラフィカルな視点で変化に富んだシルエットを表現。「事業をやめることが決まったプリーツ加工の工場で最後に設備を使う機会を頂いて、やりたいように加工をさせてもらった」という。


