医療現場に安心と彩りを――岩手県一関市で、はんてんや法被、手ぬぐいを作る京屋染物店が、医療用白衣のスクラブを発売した。有害物質を含まない無蛍光の日本和晒(さらし)を使い、無病息災や魔除けを意味する文様や縫製方法を採用している。
繊維製品の安全性を証明する国際規格「エコテックススタンダード100」で、肌の弱い赤ちゃんでも安心して使えるレベルの「クラス1」認証を取得済み。商品の開発段階で医療現場の意見を聞き、可能な限り装飾はなくし、わき下にマチを入れるなど動きやすさにも配慮した。後ろ身頃は、魔除けや厄除けの意味がある「背縫い」仕様になっている。
柄は3種。生命力の強さを表す「熊笹」と、苦を抜き、子孫繁栄の意味がある「くぎ抜きと菱」、子どもの健やかな成長への願いを込めた「麻の葉」をデザインし、背や肩部分などに配した。税込み1万6500円。
京屋染物店は「私たちの暮らしとは切り離せない医療現場で働く医療従事者と、彼らが接する患者に無害を提供し、気持ちも明るくしたい」(蜂谷淳平専務)としてこの製品を開発した。ECなどを通じ、医療従事者や福祉関係者、保育士らに販売している。