パリ・グランパレで開催されている「空へ、海へ、彼方へ――旅するルイ・ヴィトン」展が話題になっている。タイトルが予告するように、ここにはLVに導かれながら陸、海、空を渡るような、メゾン創業から160年を超える歴史の旅が待っている=写真。
9章から成るこの展覧会は、LVの未来を直感させるアンティークトランクから始まる。ガリエラ美術館館長で同展のキュレーターを務めるオリヴィエ・サイヤール氏は、「アーカイブから厳選したアイテムを近年のものと融合した。貴族的な背景を持つメゾンの歴史が、現代のLVの独創的なアイテムの礎となる展覧会にしたかった」と経緯を語る。「旅の想像」の章は、自動車、ヨット、飛行機、そして列車に揺られているような遊び心にあふれた演出。ガストン・ルイ・ヴィトン氏が1901年ごろに所有していたソフトバッグの原型とされる「スティーマー・バッグ」も展示されている。
LVの香水の名前でもある「ウール・ダプサンス」(余暇の時間)の章では、同氏のスケッチ帳も公開。予期せぬ展示品に出会いながら、自分の好きなルイ・ヴィトンを見つける楽しさ〝旅〟に加わる。2月21日まで、入場無料。(松井孝予通信員)