ルイ・ヴィトンは、東京・麹町の特設会場で、ブランドの軌跡を巡る大型の展覧会「Volez,Voguez,Voyagez ? Louis Vuitton 」(空へ、海へ、彼方へ、旅するルイ・ヴィトン)を開催している。6月19日まで。入場無料。
2月21日までパリのグラン・パレで開催された展覧会の巡回展で、1854年から今日までのブランドの歴史を、旅をテーマにひも解いている。
展覧会は、10章に分けて構成されている。創業者一族のアーカイブから厳選したオブジェやドキュメント、美術館や個人コレクターから貸与された作品が並ぶ。キュレーターは、ガレリラ宮パリ市立モード美術館のオリヴィエ・サイヤール館長。
企画はブランドの原点であるトランクから始まる。木材に対するこだわりをはじめ、さまざまな用途のデザインが展示されている。「壊れやすく繊細なものも安全に荷造りする」という流行に敏感な人々への荷造りの技が、ブランドの評判を高めた。
20世紀初頭には交通機関が多様化した。その歴史に合わせて、旅のバリエーションも広がり、さまざまな商品が提案された。アルジェリアやマリなどを旅する探検用自動車が開発されたのを受けて作られたのは、探検隊に向けたトランクや折り畳み型のベッド=写真左。ヨットによる旅が増加した頃は、長旅中に着用済みの衣類を入れる「スティーマー・バッグ」が流行した=右。そのほか、空の旅、列車の旅などさまざま切り口で紹介する。
日本に特化した企画も面白い。19世紀末から、ルイ・ヴィトンと日本とは強い関係を築いており、日本の家紋は、モノグラムパターンのインスピレーションの一つとも言われている。著名な日本人顧客も多く、板垣退助が渡欧した際に購入したトランクも並ぶ。顧客リストには後藤象二郎の名前も見ることができる。
特設会場には、ミュージアムショップやカフェも併設している。