ジーンズカジュアル店を運営するマルカワ(東京都町田市)は、同社として初めての、社名をブランド名に冠したジーンズの販売を始める。生地から縫製まで国産にこだわった高品質な商品で、長年にわたって「ジーンズショップのマルカワ」として認知されてきた歴史をアピールする。
ジーンズ(税込み1万9800円)とGジャン(2万7500円)を企画した。生地はともにストレッチ性のある岡山製のセルビッチデニムを採用。「ジーンズといえば綿100%だが、近年は着心地のよさを重視する声が多く、ストレッチを入れることにした」(山本茂彰取締役商品部部長)。
ジーンズは50年代の「リーバイス」をイメージしたストレートのシルエット。バックポケットの裏をリベットで留めるなどビンテージのディテールも取り入れた。1948年のマルカワ創業当時のロゴや町田本店の古い写真をデザインした特別仕様の箱に入れて販売する。Gジャンはリーバイスの「ファーストタイプ」を参考にした。
「コロナ禍で閉店した町田の本店に代わる新しい旗印にしたい」という思いから企画をスタートした。「マルカワの名前でジーンズを作ろう」と呼び掛けたところ、社員一丸となって盛り上がり、社内の雰囲気もよくなったという。若いころに本店で買い物をした思い出を語る客や取引先が多いことから、商品に付けるレザーパッチには「MACHIDA」の文字を刻印し、創業地を大切にする気持ちも込めた。
大量生産が難しいため、販売数はジーンズ300本、Gジャン200着のみ。山本部長は「大量に売る商品ではなく、マルカワという会社を体現する役割を担う商品。そして、いつかまた象徴である町田の本店を再出店できれば」と意気込む。