日系副資材企業が海外販路開拓に力を入れている。7月に開かれたプルミエール・ヴィジョン(PV)パリやミラノウニカ(MU)では、各社がサステイナブルや意匠にこだわった付加価値資材をアピールし、新規開拓への手応えを得た。
MUに初出展したのは清原とアイリス。ボタンメーカーのアイリスは出展3回未満の企業を対象にした合同ブース「JOBネクストbyジェトロ」に出展。日本の養殖ブリが原料のフィッシュレザーを用いたボタンやバックルを提案、トレーサビリティー(履歴管理)がしっかりしている点などもアピールした。
清原はミラノに拠点がなく新しい顧客開拓に向けてMUに出展し、天然ボタンにメッキやラバー塗装を施したものを打ち出した。特にニッケルメッキは輝きが増しつつも落ち着いたトーンになり、「ほかにない存在感」と引き合いがあった。
一方、PVパリにはSHINDOと島田商事が参加した。島田商事は、スポーツ、アウトドア向けの資材を中心に披露。テープとコードが一体となったストレッチウエストバンド「コンボ」や、コードエンドのバリエーションに引き合いがあり、大手企業などの来場もあった。
SHINDOは、コーデュロイリボンやコットンストレッチテープ、ラメ入りのジャカードリボンなど、意匠を凝らしトレンドを意識した新商品を提案した。パリ五輪間近の開催だったため来場が減ると見て、要員を減らしブースの面積も縮小したが「ブースを小さくした割には忙しく、むしろ費用対効果としては上がった。新規も約半分と多かった」と手応えがあった。