マスキュリンへの回帰
【パリ=小笠原拓郎】16~17年秋冬欧州メンズコレクションは、ぐっとマスキュリンな方向へとトレンドが移行した。春夏のメーントレンドだった〝女々しい男性像〟は影を潜め、力強く男っぽさを強調するスタイルが広がった。
〈テーマ〉
秋冬のトレンドとなるテーマは80年代のボックスシルエット、ミリタリーの再解釈、アイテムの解体と再構築で見せるスタイルなどが挙げられる。以前は違和感のあった80年代の大きなシルエットが、不思議と今シーズンはトレンドにはまって見える。
ミリタリーの再解釈は、デザイナーによって大きくその表現が変わる。ミラノで目立ったのはミリタリーアイテムの基本はそのままで、ボリュームの変化やゴージャスな素材で変化させたものが多い。
一方、パリではミリタリーアイテムからパーツや装飾を抜き出して、それを違うアイテムに移すという手法が目立った。それは、ミリタリーアイテムとしての価値とは違う価値観を表現するものだ。
デザイナーが新しい価値を表現する役割だとすれば、単純にミリタリーアイテムをなぞって変化させることよりも、それを違う文脈として表現することこそ本質のように思える。(写真=catwalking.com)
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東京会場
4月5日(火)13:00~16:30 日経ホール
大阪会場
3月29日(火)13:00~16:30 ホテルエルセラーン大阪