《めてみみ》日本的な魅力とは?

2019/01/18 06:23 更新


 19~20年秋冬ミラノ・メンズコレクション期間中、市内でビームスとミスターポーターのイベントが開かれた。ビームスのカジュアル商品をECで販売してきたミスターポーターが、ドレスカテゴリーも手掛けるという。なぜ、ビームスのテーラーリングなのか。ミスターポーターはビームスに何を求めているのか。「イタリアのクラシックではない、日本的なモダンさを求めていると感じています」と商品開発を担当した吉田周平氏は言う。

 似たような事例は他にもある。メンズラインを本格スタートした「ザ・ロウ」が、スーツの生産に選んだのは日本のある縫製工場。かつてブルックリンでスーツを生産していた「トム・ブラウン」も、ある時期から日本でスーツを縫うようになった。

 イタリアのテーラーリングから刺激を受け、セレクトショップ向けにスーツを販売してきたリングヂャケットが、着実に海外ビジネスを広げている。米国と香港を軸にしながらピッティ・イマージネ・ウオモを通じて欧州へもアプローチ中だ。

 クラシックなイタリアのテーラーリングが持っている重厚さや華やかさとは違う魅力が、日本製にはあるということなのだろう。縫製技術の生真面目さ、東京という大都会で暮らすトップバイヤーの感性、そんなところが独自の魅力となって新たな需要を生み出している。



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